皆既日食、午後3時に暗闇が訪れた日

4月8日、メキシコからアメリカ、カナダにかけて北米を縦断するように皆既日食が見られた。オンタリオ州ナイアガラではこの日に大量の観光客が押し寄せることを想定し、非常事態宣言を発令。各地では大勢の人々が神秘的な天体ショーを楽しんだ。

オンタリオ州トロントはあいにく曇り空だったが、午後3時20分ごろから3分ほど、夜のような暗闇に包まれ、街灯が灯り、鳥たちはねぐらに戻って息をひそめた。

今回見逃した人が次に見られるのは400年後だそう。

Happy Canada Day 2023!

カナダは1867年7月1日、すでにイギリス連合王国の一部だった一部の州にノバスコシアとニューブランズウィックが加わりカナダ連邦として誕生した。今日、156回目の建国記念日を迎えたカナダは、国としての歴史はとても浅い。しかし、カナダの先住民の歴史は4万年前に遡る。今年、パンデミック以来オタワでリアル開催されたカナダ・デーを祝うイベントでは、まず最初に先住民女性3名のスピーチがあった。彼女たちはこう語りかける、「大地は我々の一部であり、征服するためのものではない」「大地の声を聞け、そして慈しめ」と。

現在のカナダ総督メアリー・サイモンは、2021年にトルドー首相から指名された史上初の先住民族の女性。彼女はスピーチで、現在カナダが向き合っている「真実と和解(Truth and Reconciliation)」に触れ、これは先住民の問題ではなく、カナダの問題であると語った。

一方、来年、カナダとして初めて月へ宇宙飛行を行う予定の宇宙飛行士ジェレミー・ハンセン(Jeremy Hansen)もステージに登場。カナダのいろいろな未来を示唆する式典となった。

カナダで広範囲に起こっている森林火災の影響で空は真っ白に煙り、連日、大気汚染が高レベルに達し、警報が出されている。アフターコロナとなっても人々の息苦しさはまだ続いている。会場でカナダ国旗を手にし、頬には赤いメープルリーフのペイントをした満面な笑顔の無邪気な子どもたちと地球の健全な未来を願わずにはいられない。

オタワで開催されたカナダ・デーのイベントで国歌を歌うカナダの総督(左)とトルドー首相(左から2番目)

新カテゴリー、Smoke!

カナダの森林火災による大気汚染は深刻な状況にある。連日、警報レベルに達しているトロントだが、今日、「Sunny」や「Rain」など天候を表記する部分に「Smoke」とあるのを見つけた。世界を脅かした新型コロナウイスルが終息した今、今度は地球温暖化問題が私達の前に行く手を遮るように立ちはだかっている。人類が踏み間違えた未来への道への軌道修正はもっと早い速度で必要だ。

ピーターボロで森林浴

ピーターボロで森林浴。

今はホワイト・トリリアムの季節。この花はオンタリオ州の州花で公式ロゴにもなっている。森に群生して一面に開花する様は幻想的。

ピンクがかった花もある。森に咲いている花はどんなに可憐でも、触らずに自然のままに。

水辺で遊ぶ鴨のファミリーに遭遇。小さい子ガモ達の水への反応はさまざま。なかなか泳ぎ出せない子もいれば、一人でスイスイ遠くまで泳ぎに行ってしまう子もいる。同じ場所で見守っている母ガモが尊い。

終わりなきトロント大学の工事

トロント大学キャンパス内のあちこちで大規模な工事が行われているが、散歩中に一部終わっているところがあることを発見。以前は通り抜けできなかったフィールド前はすっかりきれいになり、コンクリートのベンチのようなものが設置されていた。まだ風が少し冷たいけれども、青空の下の緑に鮮やかさが増してきて、初夏を感じさせる。

4年半ぶりに日本に一時帰国! (東京、羽田)

今日は皇居付近を散歩しようと出かけた。東京駅に降り立つと、なにやら物々しい雰囲気。要人が皇居から東京駅に向かってくるらしい。やがて騎馬警官に守られた馬車が姿を現した。車ではなく馬車を使うのはしきたりなのだろうか。東京駅のクラシカルな外観に見事にマッチし、時の流れが止まったかのようなシーンを堪能した。馬車が駅に横付けされ、要人が去るとバリケードは撤去され、あっという間にもとの日常に戻っていった。鮮やかで無駄のない各所の動きは日本人気質を感じさせる。

2週間の滞在が終わり、帰国日となった。到着は成田にしたが、帰国便は羽田から。ここでも新しくできた羽田エアポートガーデンで搭乗前に美味しいランチを堪能。滑走路を滑り出した飛行機内から遠くにスカイツリーが見える。12時間半の空の旅が始まった。私の心はトロントの友人に預かってもらっている愛猫ジルを迎えにいく算段と次回の一時帰国のことを考えている。

4年半ぶりに日本に一時帰国! (下北沢、渋谷)

今日も人混み覚悟で下北沢と渋谷へ。とはいえ、東京滞在も慣れてきた。アプリを使えば、早い順、格安順などの選択ができ、何時何分に何番線から乗れば良いかまで教えてくれる。電車は定刻通りに到着し、目的地まで確実に運んでくれるので動きやすい。

下北沢はカレーの街。ランチは友人に教えてもらった人気店「スパイス・マジック」で野菜たっぷりのスープカレーを堪能。ボリュームたっぷりだったが完食。

下北沢から渋谷へ。渋谷といえば、学生時代にハチ公前でよく待ち合わせをしたものだが、今やハチ公の前には写真を撮る人の長蛇の列ができていて、なんだかハチ公が気の毒になってしまった。周辺で行われている開発工事が生みの苦しみのような悲鳴にも似た騒音を立てている。渋谷はもう私が知っている渋谷ではなくなった。新しく生まれ変わったばかりの宮下パークを横目にヒカリエ方面へ向かう。この街のエネルギーはやっぱりすごい。