トロントは地下鉄までもクリスマス!

12月のトロントはクリスマス一色。地下鉄の車両もクリスマスバージョンが登場。地下鉄の治安の悪さが問題視されて久しいが、この車両に足を踏み入れた利用客は一様にほっこり笑顔に。

華やかな電飾やスティックキャンディを模した手すりでクリスマス感いっぱいの車内。

車窓から見える風景もいつもと違う雰囲気に(ミュージアム駅にて)。

こちらは今年のイートンセンターのクリスマスツリー。毎年、異なるデザインで登場するツリーだが、今年はデジタルアート化していて時代の流れを感じた。クイーンストリートの地下鉄工事の影響や、オンラインショッピング主流の昨今で人出は少ないだろうと思いきや、金曜の夜のこの日、店舗でのクリスマスショッピングを楽しむ買い物客であふれていた。

今年も残すところあと2週間あまり。2025年の師走が新年に向かって駆け抜けていく。

さよならImperial Pub

トロントで幅広い層に愛されてきたImperial Pubが11月15日、その81年の歴史に幕をおろした。店に入ると中央にバーカウンターがあり、さらに奥にはライブミュージックを楽しめるスペースがあった。多くのメディアが、常連客の別れを惜し声と感謝の言葉を伝えた。

トロントで初雪

11月9日、トロントで初雪。今年は夏が長く、秋が短く、冬が早く訪れた。

あぁ、体感温度マイナス8度。このあと、雪は3日間ほど降り続いた。冬が始まった。

ブルージェイズ、ワールドシリーズで戦った熱狂の7試合

私が初めてカナダを訪れ、トロントで暮らし初めた1992年。地元のMLB所属のプロ野球チーム、トロント・ブルージェイズがワールドシリーズでアトランタ・ブレーブスを4勝2敗で下して優勝。当時、ちょうど市内探訪をしていたところ、優勝パレードに出くわした。そして、翌年1993年もブルージェイズはフィラデルフィア・フィリーズを4勝2敗で下して優勝し、2年連続優勝という快挙を成し遂げた。

あれから32年、ブルージェイズは再びワールドシリーズの舞台に躍り出た。決して野球ファンというわけでもない私でも、この試合は見逃せない。なぜなら10月24日に行われた第1戦でブルージェイズはあの大谷翔平選手が在籍するドジャースに11対4で大勝利したのだ。

第2戦は1対5で、第3戦は延長18回という激戦の末、真夜中に5対6でドジャースが勝利するも、第4戦は6対2、第5戦も6対1とブルージェイズが勝ち越していく。両チームの力量は拮抗しており、コーチの戦略が結果を左右する。

第6戦は3対1でドジャースが勝利、山本由伸投手の圧倒的な投球にブルージェイズは完全に抑えられてしまった。

3勝3敗で迎えた11月1日のトロントでの第7戦。前半はブルージェイズが優勢に見えたが、ドジャースの追い上げに合い、延長線へ。そしてドジャースの山本投手が前日に続いてまさかの登板。安定した投球でブルージェイズをおさえ、優勝を決めた。

2025年のワールドシリーズは間違いなく歴史の1ページとなる素晴らしい戦いだった。ブルージェイズは潤沢な予算で多くの強豪選手を擁するドジャーズ相手にこれだけの底力を見せた。それだけで十分誇りに思う。そして野球の試合は勝敗で一喜一憂するだけにとどまらない、数々の予測できない心揺さぶるシーンを見せてくれた。

同時に、海外に住む日本人として、メジャーリーグで活躍する日本人選手の活躍も心から誇りに思う。

しかし、ブルージェイズ、これで終わりにしてほしくない。2025年ワールドシリーズがブルージェイズの新時代の幕開けの起爆剤となってほしい。

50周年を迎えたtiff2025、Japan Film Night開催!

2025年のトロント国際映画祭は9月4日から14日まで開催。期間中の9月8日、トロントの国際交流基金主催による日本映画にスポットをあてたイベント「Japan Film Night」が開催された。

当日は、日本酒と寿司を堪能した後、日本からの出展作品の紹介と、来加した監督や俳優によるスピーチに耳を傾けた。

「ルノアール」の早川千絵監督。

「レンタル・ファミリー」(フレイザー・ブレンダン主演)のHIKARI監督。

「わずかな見せかけ」の斎藤英理監督。主演の芥川龍之介役を演じた俳優の黒住尚生さんも会場でスピーチを行った。

今年、トロント国際映画祭は50周年を迎えた。最高賞にあたるピープルチョイス・アワードはクロエ・ジャオ監督の「ハムネット」が受賞した。

トロントの天気、smoke

まだ太陽は当分のぼらない早朝、クーラーのない我が家に少しでも涼風を入れようと窓を開けてベッドに戻った。ほどなくして猫の朝食の時間がきた。外はまだ暗いが何かきな臭い。この界隈のどこかで火事でもあったのかなと思って、カーテンを開けてみると空が真っ白だった。

こんな朝は初めてではない。念のため、気象情報のサイトを見てみると、案の定、天気は「Smoke」とあり、午前4時すぎ頃に熱中症警報とは別に、大気汚染警報が出ていた。

我が家の空気清浄機がついた扇風機が示すの空気の状態のレベルは、窓を開けた途端、最悪レベルに達し、真っ赤なラインが表示された。朝の涼風はあきらめて窓を閉める。

大気汚染警報は、日中には最高レベルの10になったが、午後7時頃には6まで下がった。が、まだ屋外活動は制限することを推奨されている。試しに窓を開けてみたが、空気清浄機の汚染レベルはグリーンから徐々にイエローに変わっていった。夕方の涼風も諦めて窓を閉める。しばらくすると安全を示すグリーンになった。

この大気汚染はオンタリオ州北部の森林火災が原因だ。今日、トロントは世界で2番目に大気汚染されている地域に認定されてしまった(IQAir調べ)。

今週は木曜まで熱波も続く。昨夏も厳しかったが、今夏も厳しい暑さだ。

私がカナダに来たばかりの頃の90年代半ばのトロントは、真夏でもからっとしていて、扇風機すら必要性を感じなかった。それどころか、夜に外出する時は長袖が必要なほど涼しくなったものだ。

地球を取り巻く環境は変わっている。人為的な影響によるものも、自然に起こっていることもあるだろう。

ここ数年で立て続けに、家族や親戚に赤ちゃんが生まれた。彼らがこれから生きていく地球は、私が安穏と暮らしてきた地球とは違う。人類は今、繰り返し起こる大規模な自然災害と、ハイテク化した戦争がいつまでも続く現実の渦中にいる。彼らはそんな世界を生き抜いていくのだ。

70年代の夏の昼下がり、私は冷えたスイカを手に、兄妹とベランダに座り、スイカにかぶりついては種を目の前の庭にむかって吐き出し、誰が一番遠くまで飛ばせるか競争したものだ。無邪気で、遠い未来の心配は誰かの杞憂なのだと思っていた。

今は考えずにはいられない。想像せずにはいられない。3年後、5年後の世界の変容を。

ハドソン・ベイ、最後の日

カナダの大手百貨店ハドソン・ベイが2025年6月1日、355年の歴史に幕を下ろした。同社は今年3月7日、オンタリオ州上位裁判所に企業債権者調整法の適用を申請、承認されていた。

トロントのクイーンとヤングにあるカナダ国内最大規模の売り場面積(約850,000 sq ft)を誇る店舗も今日、清算セールを終了。

しかし、すでにほとんどの商品はなくなっており、店内に置かれているのは家具やディスプレイ類、マネキンなど。これらも売りに出されており、マネキンをかついでいく人の姿も。

ハドソン・ベイは創業1670年。カナダ連邦が成立したのは1867年。カナダは今年で158周年を迎えるが、ハドソン・ベイの企業歴史は実に355年。カナダが生まれる前からずっとこの国とともにあった企業は、今日すべての店舗が閉店し、約8,000人の従業員が解雇されることになる。

カナダで暮らし始めた頃、ハドソン・ベイに出かけてはいろいろなものを買った。数年前にアイロンが壊れたとき、箱の中から購入した当時のレシートが出てきた。アイロンはハドソン・ベイで購入したものだった。印字はきれいに残っており、日付は「06/07/98」とあって驚いた。約四半世紀も働いてくれたアイロンであった。現金で支払っていて、値段は26.99ドル。これに当時の消費税15%が加算されていた。レシートを眺めていたら、地下一階の家電売り場で、さんざん悩み見抜いて購入した日のことを思い出した。

抗えない時代の趨勢なのだろうが、もうハドソン・ベイで買い物をすることはないのだと思うと寂しい。子どもの頃は、デパートは心がウキウキする特別な場所だった。素敵なディスプレイを眺めながら、いろいろな商品を手に取る。買い物した荷物を抱えて、歩き疲れたらレストランに入って好きなものを注文する。まるでご褒美のような幸せな時間だった。カナダに来てからも、同じ感覚でベイに出かけたものだ。

今、クイーンとヤング・ストリート周辺は新しい地下鉄オンタリオ・ラインの工事で一部通行止めになっていて、高い柵が林立しており、混沌とした雰囲気だ。ハドソン・ベイ前も全面封鎖で工事が進められている。地下鉄と直結したハドソン・ベイの地上出口付近の一角はホームレスのたまり場になっているようで何人もが固まって寝ていた。空っぽになった歴史的建造物のたもとで眠る帰る家のない人々の姿は、トロントの暗澹とした今を象徴しているようでもある。家に帰るため地下鉄に乗ったら、車内に暖房が入っていて、今日はとても寒い一日だったことに気づいた。

すでに葉桜

今年のトロントの桜の見頃は5月3日から5月9日とのメディア報道を鵜呑みにして、6日にトロント大学を訪れたところ、すでに葉桜になっていた。花見を楽しむ人々の姿、桜をバックにセルフィーを撮る人々の姿はまったく見当たらない。が、完全には散っておらず、緑の葉の中で咲く桜も美しかった。

八重桜はちょうど満開の時期を迎えていた。ここには多くの花見客でにぎわっていた。

八重桜の足元にはチューリップたちが、風に揺られながら一生懸命に咲き誇っていた。トロントに春が訪れている。

初めてのアイスホッケー観戦でカナダ愛を感じる

2025年4月17日、トロント在住30年にして、私は生まれて始めてプロアイスホッケーの試合を観戦した。トロント・メープルリーフスの対戦相手はデトロイト・レッドウィングス。折しもアメリカの新政権のために微妙な関係になっており、カナダとしては負けられないホームゲームだ。

先手でゴールを決めたものの、ぐいぐい追いまくられて遂に逆転されてしまう。が、ぎりぎりで同点となり、延長線へ。そして、残り56秒でリーフスのスコット・ゴールを決めて勝利が決まった。瞬間、会場の熱い盛り上がりは最高潮に達した。最後まで決して諦めずにリーフスを支えるオーディエンスにカナダ愛を感じた日であった。

いつのまにか自転車専用の信号機が登場していた!

数年前、試験的にトロント市内の一部に導入された自転車専用レーン。オンタリオ州政府はこの設置をやめる方針を決めたはずだが、それに逆行するように、いつのまにか自転車専用の信号が設置されていた!

もとに戻すには相当な予算が必要になるし、自転車がより安全に走行できる措置に方向転換したのだろうか。

これまで車と自転車の小競り合いはよく見かけていたが、歩行者としても、すぐ脇を信号を無視して疾走していく自転車に肝を冷やしたことは一度や二度ではない。なかには平気で歩道を悠々と走っていく自転車に出くわすことさえある。

高校時代に自転車通学をしていた私だが、トロントで自転車に乗る勇気はない。自転車は環境に優しく、移動手段としても便利だが、私はアクティビティとして郊外で緑に囲まれてゆったりと走るのがいい。