ブルージェイズ、ワールドシリーズで戦った熱狂の7試合

私が初めてカナダを訪れ、トロントで暮らし初めた1992年。地元のMLB所属のプロ野球チーム、トロント・ブルージェイズがワールドシリーズでアトランタ・ブレーブスを4勝2敗で下して優勝。当時、ちょうど市内探訪をしていたところ、優勝パレードに出くわした。そして、翌年1993年もブルージェイズはフィラデルフィア・フィリーズを4勝2敗で下して優勝し、2年連続優勝という快挙を成し遂げた。

あれから32年、ブルージェイズは再びワールドシリーズの舞台に躍り出た。決して野球ファンというわけでもない私でも、この試合は見逃せない。なぜなら10月24日に行われた第1戦でブルージェイズはあの大谷翔平選手が在籍するドジャースに11対4で大勝利したのだ。

第2戦は1対5で、第3戦は延長18回という激戦の末、真夜中に5対6でドジャースが勝利するも、第4戦は6対2、第5戦も6対1とブルージェイズが勝ち越していく。両チームの力量は拮抗しており、コーチの戦略が結果を左右する。

第6戦は3対1でドジャースが勝利、山本由伸投手の圧倒的な投球にブルージェイズは完全に抑えられてしまった。

3勝3敗で迎えた11月1日のトロントでの第7戦。前半はブルージェイズが優勢に見えたが、ドジャースの追い上げに合い、延長線へ。そしてドジャースの山本投手が前日に続いてまさかの登板。安定した投球でブルージェイズをおさえ、優勝を決めた。

2025年のワールドシリーズは間違いなく歴史の1ページとなる素晴らしい戦いだった。ブルージェイズは潤沢な予算で多くの強豪選手を擁するドジャーズ相手にこれだけの底力を見せた。それだけで十分誇りに思う。そして野球の試合は勝敗で一喜一憂するだけにとどまらない、数々の予測できない心揺さぶるシーンを見せてくれた。

同時に、海外に住む日本人として、メジャーリーグで活躍する日本人選手の活躍も心から誇りに思う。

しかし、ブルージェイズ、これで終わりにしてほしくない。2025年ワールドシリーズがブルージェイズの新時代の幕開けの起爆剤となってほしい。

Norwood Fairで秋を満喫

Norwoodはオンタリオ州ピータボロにある小さな町。ここで、サンクスギビングの週末にあたる10月11日、12日、13日の3日間、毎年恒例のNorwood Fairが開催された。歴史は古く、1868年から開催されているというから、カナダ建国の翌年から157年続いていることになる。移動遊園地あり、屋内外のライブ演奏あり、牛や馬、トラクター、ルースターなどの鳥たち、ヤギ、ロバなど動物達の展示やイベント、アート、野菜の品評会、フード、ドリンク等など、ローカル色豊かな秋の祭典だ。

移動遊園地のアトラクションもさまざま。巨大な観覧車まである。

歩き疲れたら、屋内のコンサートを楽しみつつ、小休止。

外に出ると、牛たちに遭遇。間近で見る大きな牛たちの目ヂカラがすごい。

こちらでは美しい馬たちが登場。

リアルな馬力比べ。すごい力で重りを引っ張っていく。

その傍らで、優雅な乗馬グループによるパフォーマンス。

トラクターによる馬力比べ。これもすごい迫力。

かぼちゃの品評会。とにかくデカい。

カナダの秋が深まってきた。

Sam Fender、北米ツアーの最終日はトロント!

10月3日、北米9か所をまわるSam Fenderの「People Watching Tour 2025」の最終公演がトロントのコカ・コーラ・コロシアムで行われた。

コンサートが行われたのはアイスホッケーの試合も行われるアリーナ。会場を出るとコンサート会場をぐるりと囲むようにフードやドリンク、そしてコンサートツアーのマーチャンダイズのショップが並ぶ。

オープニングアクトが午後8時くらいに始まり、休憩を挟んで、Sam Fenderのパフォーマンスが始まったのは午後9時を過ぎていた。休憩中もコンサート中も、観客は自由に出入りして、ドリンクやフードを片手に戻ってきて、コンサートを楽しみ続ける。この気楽な雰囲気が最高だ。

Sam Fenderはステージで、2019年の前回の北米ツアーではHorse Shoe Tavernで演奏したと語り、「今夜、こんな大きな会場でパフォーマンスできるなんて信じられないぜ!」と叫び、喝采を浴びていた。

コンサートに行くまで彼の楽曲は数曲程度しか知らなかったが、曲を追うごとにどんどん引き込まれる。バラエティに富んだ音楽性とユーモアを交えたトークで観客を一体にしていく様が圧巻だった。

最後は、オープニングアクトのYoung Jesusも加わってステージは最高潮に達して、幕を閉じた。

「People Watching」は今年10月、2025年マーキュリー賞を受賞している。

50周年を迎えたtiff2025、Japan Film Night開催!

2025年のトロント国際映画祭は9月4日から14日まで開催。期間中の9月8日、トロントの国際交流基金主催による日本映画にスポットをあてたイベント「Japan Film Night」が開催された。

当日は、日本酒と寿司を堪能した後、日本からの出展作品の紹介と、来加した監督や俳優によるスピーチに耳を傾けた。

「ルノアール」の早川千絵監督。

「レンタル・ファミリー」(フレイザー・ブレンダン主演)のHIKARI監督。

「わずかな見せかけ」の斎藤英理監督。主演の芥川龍之介役を演じた俳優の黒住尚生さんも会場でスピーチを行った。

今年、トロント国際映画祭は50周年を迎えた。最高賞にあたるピープルチョイス・アワードはクロエ・ジャオ監督の「ハムネット」が受賞した。

夏はやっぱりアイスクリーム

今年の夏は暑い。アイスクリームは熱波にあえぐ体を癒やしてくれる、ありがたい食べ物。

というわけで、オンタリオ州セルウイン(Selwyn)の農場に囲まれた場所にあるアイスクリームの人気スポットを訪れた。

Central Smithの始まりは1896年、農協として創業した。当時は、工場で地元酪農家から供給された牛乳から高品質のチーズとバターを製造していた。やがて、1952年、セントラル・スミスは高級アイスクリームの専業生産を開始した。以来、ショップに直結した工場から新鮮で美味しいアイスクリームを求めてたくさんの人々がやってくる。

写真のエスプレッソ味のアイスクリームはこれでシングルサイズ!
夏の青空の下、オンタリオ州のスイートコーンがたわわに実る畑を眺めながら食べる味はまた格別。

centralsmith.ca

トロントの天気、smoke

まだ太陽は当分のぼらない早朝、クーラーのない我が家に少しでも涼風を入れようと窓を開けてベッドに戻った。ほどなくして猫の朝食の時間がきた。外はまだ暗いが何かきな臭い。この界隈のどこかで火事でもあったのかなと思って、カーテンを開けてみると空が真っ白だった。

こんな朝は初めてではない。念のため、気象情報のサイトを見てみると、案の定、天気は「Smoke」とあり、午前4時すぎ頃に熱中症警報とは別に、大気汚染警報が出ていた。

我が家の空気清浄機がついた扇風機が示すの空気の状態のレベルは、窓を開けた途端、最悪レベルに達し、真っ赤なラインが表示された。朝の涼風はあきらめて窓を閉める。

大気汚染警報は、日中には最高レベルの10になったが、午後7時頃には6まで下がった。が、まだ屋外活動は制限することを推奨されている。試しに窓を開けてみたが、空気清浄機の汚染レベルはグリーンから徐々にイエローに変わっていった。夕方の涼風も諦めて窓を閉める。しばらくすると安全を示すグリーンになった。

この大気汚染はオンタリオ州北部の森林火災が原因だ。今日、トロントは世界で2番目に大気汚染されている地域に認定されてしまった(IQAir調べ)。

今週は木曜まで熱波も続く。昨夏も厳しかったが、今夏も厳しい暑さだ。

私がカナダに来たばかりの頃の90年代半ばのトロントは、真夏でもからっとしていて、扇風機すら必要性を感じなかった。それどころか、夜に外出する時は長袖が必要なほど涼しくなったものだ。

地球を取り巻く環境は変わっている。人為的な影響によるものも、自然に起こっていることもあるだろう。

ここ数年で立て続けに、家族や親戚に赤ちゃんが生まれた。彼らがこれから生きていく地球は、私が安穏と暮らしてきた地球とは違う。人類は今、繰り返し起こる大規模な自然災害と、ハイテク化した戦争がいつまでも続く現実の渦中にいる。彼らはそんな世界を生き抜いていくのだ。

70年代の夏の昼下がり、私は冷えたスイカを手に、兄妹とベランダに座り、スイカにかぶりついては種を目の前の庭にむかって吐き出し、誰が一番遠くまで飛ばせるか競争したものだ。無邪気で、遠い未来の心配は誰かの杞憂なのだと思っていた。

今は考えずにはいられない。想像せずにはいられない。3年後、5年後の世界の変容を。

Happy Canada Day!

Happy Canada Day! 今日、カナダは建国158周年を迎えました。カナダ生まれのジルは12歳です。今日も窓からのパトロールに余念なし。

ハドソン・ベイ、最後の日

カナダの大手百貨店ハドソン・ベイが2025年6月1日、355年の歴史に幕を下ろした。同社は今年3月7日、オンタリオ州上位裁判所に企業債権者調整法の適用を申請、承認されていた。

トロントのクイーンとヤングにあるカナダ国内最大規模の売り場面積(約850,000 sq ft)を誇る店舗も今日、清算セールを終了。

しかし、すでにほとんどの商品はなくなっており、店内に置かれているのは家具やディスプレイ類、マネキンなど。これらも売りに出されており、マネキンをかついでいく人の姿も。

ハドソン・ベイは創業1670年。カナダ連邦が成立したのは1867年。カナダは今年で158周年を迎えるが、ハドソン・ベイの企業歴史は実に355年。カナダが生まれる前からずっとこの国とともにあった企業は、今日すべての店舗が閉店し、約8,000人の従業員が解雇されることになる。

カナダで暮らし始めた頃、ハドソン・ベイに出かけてはいろいろなものを買った。数年前にアイロンが壊れたとき、箱の中から購入した当時のレシートが出てきた。アイロンはハドソン・ベイで購入したものだった。印字はきれいに残っており、日付は「06/07/98」とあって驚いた。約四半世紀も働いてくれたアイロンであった。現金で支払っていて、値段は26.99ドル。これに当時の消費税15%が加算されていた。レシートを眺めていたら、地下一階の家電売り場で、さんざん悩み見抜いて購入した日のことを思い出した。

抗えない時代の趨勢なのだろうが、もうハドソン・ベイで買い物をすることはないのだと思うと寂しい。子どもの頃は、デパートは心がウキウキする特別な場所だった。素敵なディスプレイを眺めながら、いろいろな商品を手に取る。買い物した荷物を抱えて、歩き疲れたらレストランに入って好きなものを注文する。まるでご褒美のような幸せな時間だった。カナダに来てからも、同じ感覚でベイに出かけたものだ。

今、クイーンとヤング・ストリート周辺は新しい地下鉄オンタリオ・ラインの工事で一部通行止めになっていて、高い柵が林立しており、混沌とした雰囲気だ。ハドソン・ベイ前も全面封鎖で工事が進められている。地下鉄と直結したハドソン・ベイの地上出口付近の一角はホームレスのたまり場になっているようで何人もが固まって寝ていた。空っぽになった歴史的建造物のたもとで眠る帰る家のない人々の姿は、トロントの暗澹とした今を象徴しているようでもある。家に帰るため地下鉄に乗ったら、車内に暖房が入っていて、今日はとても寒い一日だったことに気づいた。

すでに葉桜

今年のトロントの桜の見頃は5月3日から5月9日とのメディア報道を鵜呑みにして、6日にトロント大学を訪れたところ、すでに葉桜になっていた。花見を楽しむ人々の姿、桜をバックにセルフィーを撮る人々の姿はまったく見当たらない。が、完全には散っておらず、緑の葉の中で咲く桜も美しかった。

八重桜はちょうど満開の時期を迎えていた。ここには多くの花見客でにぎわっていた。

八重桜の足元にはチューリップたちが、風に揺られながら一生懸命に咲き誇っていた。トロントに春が訪れている。